海外送金で4.5万円損した僕が、手数料を本気で比較した
「手数料無料」に釣られて4.5万円を失い、その反省で持参した現金100万円で、さらに大きく損をした。海外送金のコストは、明細の「送金手数料」欄を見ているだけでは絶対に分からない——これが二度の失敗で僕が学んだことだ。
失敗1:銀行送金で約4.5万円
下落局面で買い増しを決めて、みずほ銀行から300万円を海外送金した。動きとしては正解だったと思う。問題はコストだ。
手数料は合計で約4.5万円(約1.5%)。送金手数料そのものより、為替スプレッド——「手数料無料」の顔をして為替レートに乗っている隠れコスト——が重い。明細を見て「送金手数料は数千円なのに、なぜこんなに引かれているんだ」と気づいたときには、もう取り返せなかった。
失敗2:節約のつもりの現金持参で、もっと損をした
「銀行送金は高い」と学んだ僕は、次の一時帰国で現金100万円を持参して米国で両替することにした。
結果から言うと、これがもっと悪かった。
- 自分の銀行では両替を断られた
- 他行を回り、新規口座を開設してまで両替
- 手数料は2%以上・約$180(約2.5万円)
- 丸一日を消費
率で比較すると 1.5% → 2%超に悪化。「手数料を抑えようとした工夫が、実はもっと損だった」——読者に一番伝えたい教訓がこれだ。
では、何が正解だったのか
2つの失敗を経て、ようやく腰を据えて調べた。比較の軸は**「為替スプレッドを含めたトータルコスト」**だ。送金手数料の欄だけ見ても意味がない。
実コスト比較(300万円・1USD=150円で試算)
| 手段 | 為替スプレッド | 送金手数料 | 300万円あたりの概算コスト |
|---|---|---|---|
| みずほ銀行(窓口送金) | 約1円/USD | 4,000円〜 | 約4.5万円(約1.5%) |
| Wise | 中値レート | 約0.6% | 約1.9万円(約0.6%) |
| プレスティア(外貨預金) | 0.5〜1円/USD | 2,500円〜 | 約1.3〜2.3万円(0.4〜0.75%) |
| 住信SBIネット銀行(ドル転) | 4銭/USD | なし | 約800円(約0.03%) |
※僕が調べた時点の数字で、各社とも条件やレートで変わる。プレスティアは保有残高の条件でスプレッドが変わるし、住信SBIの数字は「円→ドルの両替」コストであって、海外口座への送金は別途手数料が発生する。実行前に必ず各社の最新レートを確認してほしい。
Wise:手数料が「見える」という最大の強み
Wise(旧 TransferWise)が銀行送金と根本的に違うのは、為替レートに手数料を隠さない点だ。
銀行の「海外送金手数料0円」は、スプレッドという形でレートの中に回収されている。だから一見安く見える。Wiseは中値レート(市場の実勢レート)を使い、手数料はパーセンテージで別途明示する。送る前に「いくら引かれて、いくら届くか」が画面で確定するので、比較のしようがある。この透明性が一番ありがたかった。
300万円を送る場合、合計コストは約1.9万円(約0.6%)——みずほ銀行の約3分の1だ。口座開設にはパスポートとマイナンバーが必要なので、駐在前に日本で済ませておくのが理想だと思う。渡米後だと本人確認でつまずきやすい。
住信SBIネット銀行+SBI証券:ドル転コストは業界最安水準
住信SBIネット銀行の外貨預金(USD)のスプレッドは4銭/USD。
300万円をドル転すると約2万ドル。スプレッドコストは4銭×2万=800円だ。メガバンクの1円/USD(約2万円)と比べると約25分の1。最初に知っていれば、と正直思った。
ただしこれは「日本の口座でドルを持つ・SBI証券で米国ETFを買う」ための両替コストだ。海外口座に物理的に送金する場合は、別途電信送金手数料がかかる。あくまで「日本側でドル資産を作る」ルートとして強い、という理解だ。
プレスティア(SMBC信託銀行):外貨口座を日本に持ちたいなら
旧シティバンク・ジャパン系のプレスティアは、外貨預金口座を国内で持てる老舗の選択肢だ。保有残高条件を満たせば月額手数料が無料になり、為替スプレッドも優遇される(プレミアム以上で0.5円/USD程度)。
海外送金を頻繁に行う・複数通貨を一元管理したい駐在員には向いている。ただし残高条件を下回ると月額2,200円が余計にかかる。送金頻度が低いなら、Wiseの方がシンプルに安いと感じた。
まとめ:目的を決めてから、トータルコストで比べる
自分の送金額で各手段のコストを並べて比べられるツールも作った(レートは自動取得)→ 海外送金コスト比較ツール。
選ぶ基準はシンプルだ。
- 海外口座に資金を移したい → Wise が現実的。みずほの3分の1以下で、手続きもオンラインで完結する。
- 日本でドル資産を持ちたい・米国ETFで運用したい → 住信SBIネット銀行のドル転が最安水準。
- 外貨口座を国内に集約したい → プレスティア の残高条件を確認した上で検討を。
失敗の本質は「手数料0円」「現金なら安そう」という印象だけで判断したことだ。現金持参の両替に至っては、1日を潰して、それでもコスト面では負けていた。
手数料は送金手数料の欄だけ見ても分からない。スプレッドを含めたトータルで比較する——これが4.5万円の授業料で学んだことだ。同じ失敗をする駐在員が一人でも減るといい。各社の最新データは2026年版の着金額比較も合わせて読んでほしい。
なお、この記事は日本から米国へ資金を移す話だ。逆方向——帰国後にドル資産を日本で使う最安の方法は、クレカと送金の使い分け比較に書いた。
送金は、駐在のお金まわりの一部にすぎない。出国前の準備から運用までの全体像はアメリカ駐在の資産形成 完全ガイドに順番でまとめているので、合わせて読んでほしい。
よくある質問
Q. 海外送金で一番安いのは?
為替スプレッド込みで比べると銀行窓口は割高です。Wiseや住信SBI、IBKR経由などが安い傾向。金額で最適解は変わるので、比較ツールで確認してみてください。
Q. 「手数料無料」は本当にお得?
多くは為替レートにスプレッドとして手数料が乗っています。送金手数料の欄だけ見ても、本当のコストは分かりません。
Q. 現金を持参して両替すれば安い?
僕はそれで逆に損しました(手数料2%超・丸一日消費)。トータルコストで見ると、現金持参が安いとは限りません。
この記事は一人の駐在員の実体験の記録であり、投資・税務・法律の助言ではありません。 投資は自己責任で、税務は必ず専門家にご相談ください。制度・手数料は執筆時点の情報です。 詳しくは免責事項へ。
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『駐在のお金、全部やってみた』
このブログの4年分の記録を、出国前→着任→駐在中→帰国の時間軸で1冊に再構成しました。 失敗の実額と実ポートフォリオまで、全部載せています。